高濃度ビタミンＣ点滴とは
高濃度ビタミンＣ点滴とは、１回12.5～100グラムのビタミンＣを静脈内に点滴する治療です。ビタミンＣを大量に経口摂取しても吸収が悪く、余剰分は尿中にすぐに排泄されてしまいます。点滴の場合は、経口摂取に比べてビタミンＣの血中濃度が20～40倍に増加し、全身に行き渡りやすく高い効果が期待できます。
ビタミンＣには、免疫機能の増強、抗酸化作用、抗ストレス作用、動脈硬化予防、抗アレルギー効果、メラニン色素生成抑制、コラーゲン生成促進などの効果があり、近年、アンチエイジング、美肌・美白、がんの治療や予防目的で国内でも高濃度ビタミンＣ点滴が行われています。
高濃度ビタミンＣ点滴で期待できる効果
- 美白・美肌効果
- 保湿作用
- 疲労回復効果、抗ストレス効果
- 免疫力向上
- 抗アレルギー効果
- 生活習慣病の予防
- がん予防
以下のような方におすすめです
- 肌のくすみ、シミ、シワ、たるみが気になる
- 毛髪にコシや艶がなくなった
- 老化を遅らせたい、健康を増進したい
- ニキビができやすい、治りにくい
- 慢性的に疲れている、疲れやすい
- ストレスを溜めやすい
- 飲酒、喫煙の頻度が多い
- 風邪をよくひく、扁桃炎や副鼻腔炎によくかかる
- 花粉症がある、アトピーがある
- 動脈硬化を予防したい
- がん予防やがん再発予防を考えている
高濃度ビタミンＣ点滴に関するQ&A
Q. 高濃度ビタミンＣ点滴で、なぜ美肌・美白効果が得られるのですか？
A. 高濃度ビタミンＣは、シミの元となるメラニンの生成を抑制し、にきびやシワ、シミの原因となる活性酸素を除去します。その結果、シミや肌のくすみの予防・改善に効果があります。また、コラーゲン生成促進作用により肌のハリと弾力を保ちます。
Q. 高濃度ビタミンＣ点滴で、なぜがん予防効果が得られるのですか？
A. 高濃度ビタミンＣ点滴により過酸化水素が発生します。過酸化水素は正常な細胞に影響を与えずに、がん細胞だけに傷害を与えます。2005年アメリカの国立衛生研究所から「高濃度ビタミンＣ点滴は、がん細胞に対してだけ選択的に毒性に働く」と発表され、以後アメリカでは多くの施設でがん患者さんがビタミンＣ点滴を受けています。
Q. 高濃度ビタミンＣ点滴に副作用はありますか？
A. 副作用は非常に少ないといわれています。血管刺入部の痛み、頭痛、嘔気などの症状が起きることがありますが、点滴速度を緩徐にすることで多くは解決されます。まれに注射部位の発赤、腫脹、点滴もれがおこることもあります。
Q. 高濃度ビタミンＣ点滴に防腐剤は入っていますか？
A. 当院では点滴療法研究会が推奨するビタミンＣを使用しています。海外から冷蔵で輸入している防腐剤が入っていないマイラン社製のビタミンＣ注射液です。
Q. 高濃度ビタミンＣ点滴ができない場合はありますか？
A. G6PD（グルコース6リン酸脱水素酵素）欠損症、高度の心不全、腎不全、大量の胸水・腹水がある場合、高濃度ビタミンＣ点滴はできません。G6PDという酵素が欠損していればビタミンＣが生成する過酸化水素により赤血球の膜が壊れて溶血がおこり貧血になります。そのため、点滴を初めて受けられる方は、この酵素を持っているか血液検査を受けていただく必要があります。検査費用は5,500円（消費税込）です。
Q. 高濃度ビタミンＣ点滴は保険がききますか？
A. 高濃度ビタミンＣ点滴は自費診療になります。1回の点滴でビタミンＣ 12.5グラム7,250円、ビタミンＣ 25グラム10,500円、ビタミンＣ 50グラム16,000円、ビタミンＣ 75グラム21,500円、ビタミンＣ 100グラム27,000円（消費税別）です。
Q. 高濃度ビタミンＣ点滴の量はどのようにして決めますか？
A. 初回はビタミンＣ 12.5グラムから投与を始めます。安全性を確かめた後に25グラムに増量します。がんの治療、再発予防目的の方は、体重・体調を考慮した上で最大100グラムまで増量可能です。
Q. 高濃度ビタミンＣ点滴はどのくらい時間がかかりますか？
A. ビタミンＣの量によって点滴時間は変わります。12.5グラムでは約20分、25グラムでは約40分、50グラムでは約70分、75グラム以上では約90分が目安です。
Q. 高濃度ビタミンＣ点滴はどのくらいの間隔で受ければよいですか？
A. 美肌・美白効果を早く実感するには、最初の2カ月間は週1回程度、その後は月1回の点滴をおすすめします。がん治療の場合は週２回の点滴治療が基本です。がんの腫瘍が消失すれば点滴頻度は段階的に減らしていきます。
Q. 高濃度ビタミンＣ点滴はどのくらいで美白効果が実感できますか？
A. 点滴の効果が出現する時間には個人差があります。すぐに効果を感じる方もいますが、継続的に点滴するのが効果的であると報告されています。
Q. 高濃度ビタミンＣ点滴にプラセンタも合わせて注射してもらうことはできますか？
A. 可能です。プラセンタは皮下注射になります。詳しくは医師にお尋ねください。
Q. 高濃度ビタミンＣ点滴はどんながんに効きますか？
A. 乳がん、子宮がん、卵巣がん、脳腫瘍、肺がん、食道がん、すい臓がん、肝臓がん、大腸がん、膀胱がん、悪性リンパ腫、中皮腫など様々ながんに効果があるとされています。
Q. 現在、抗がん剤の治療を受けていますが、ビタミンＣ点滴を併用しても大丈夫ですか？
A. 抗がん剤治療、放射線治療と併用しても問題はありません。現在行っている治療の副作用（嘔気、食欲不振、体調不良など）がビタミンＣ点滴により改善することが期待できます。
